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「家事按分(かじあんぶん)って何?」
個人事業や副業を始めると、こんな疑問が出てくることがあります。
- 自宅で仕事をしているけど、家賃は経費にできる?
- 仕事でも使っているスマホ代はどうする?
- 電気代やインターネット代も経費になる?
- 仕事とプライベートの両方で使う車は?
- 「30%を経費にする」と言われても、その30%ってどうやって決めるの?
こうした疑問に関係するのが「家事按分」です。
この記事では、家事按分の意味だけでなく、「その割合をどうやって確認するの?」「計算したらそのまま経費にしていいの?」という初心者が迷いやすいところまで、できるだけ具体的に解説します。
家事按分とは?まずは簡単に理解しよう
家事按分とは、仕事とプライベートの両方で使っている費用について、事業に必要な部分と私生活の部分を分けて考えることです。
たとえば、自宅で仕事をしている人なら、家賃や電気代などは「仕事にも使うけれど、生活にも使う」費用になりやすいですよね。
こうした仕事と生活の両方に関係する支出は「家事関連費」と呼ばれます。国税庁は、家事関連費のうち、取引の記録などに基づいて業務遂行上直接必要だったことが明らかに区分できる部分について、必要経費にできるとしています。
💡 Meltiny編集部のワンポイント
「家事按分」と聞くと難しそうですが、まずは「この支出のうち、仕事に使ったのはどの部分?」と考えてみると分かりやすいです。
そして大切なのは、数字を適当に決めることではなく、「なぜこの割合にしたのか」を説明できるようにすることです。
家事按分できる費用には何がある?
仕事とプライベートの両方で使っている費用には、家事按分を考えることがあるものがあります。
| 費用 | まず確認すること | 割合を考える基準の例 |
|---|---|---|
| 家賃 | 自宅全体の面積・仕事スペース | 使用面積など |
| 電気代 | 仕事で使う時間・利用状況 | 使用時間など |
| スマホ・通信費 | 仕事と私用の利用状況 | 利用状況など |
| 車の費用 | 総走行距離・仕事での走行距離 | 走行距離など |
国税庁の個人事業向け資料でも、家事分と事業分の区分について、使用面積・使用時間・使用回数などの適切な基準によって按分すると説明されています。
ただし、ここで注意したいのが、「家賃なら30%」「電気代なら50%」のような全国共通の固定割合があるわけではないということです。
費用の性質や実際の使い方に合わせて、事業に必要な部分を合理的に区分する必要があります。
「これくらいかな?」で割合を決めるのではなく、自分なりの計算方法と、その数字の根拠を残しておくことを意識しましょう。
家賃の家事按分はどう計算する?
自宅で仕事をしている場合、家賃を家事按分することがあります。
ここで最初につまずきやすいのが、「自宅全体の面積って、どこを見れば分かるの?」というところです。
① 自宅全体の面積を確認する
賃貸住宅なら、まずは手元の書類を確認してみましょう。
- 賃貸借契約書
- 重要事項説明書
- 物件資料
面積が見つからない場合は、管理会社や不動産会社に確認する方法もあります。
💡 Meltiny編集部のワンポイント
「自宅の面積なんて測ったことない!」という人も、いきなり家中を測らなくて大丈夫です。
まずは契約書や物件資料に面積が載っていないか確認するところから始めてみましょう。
② 仕事に使っているスペースを確認する
次に、仕事に使っているスペースを確認します。
たとえば、仕事専用の部屋があるなら、その部屋の面積を確認できます。
デスクを置いて仕事をしている場合は、仕事に使っているスペースを実際に測ってみることもできます。
ただし、ここで注意したいのが、「面積を測って計算したから、その割合で必ずOK」という意味ではないことです。
仕事専用のスペースなのか、仕事をしていないときは生活スペースとしても使っているのかなど、実際の利用状況も確認します。
③ 面積から事業利用割合を計算する
たとえば、自宅全体の面積が50㎡で、仕事に使っているスペースが10㎡だったとします。
面積を基準に計算すると、
10㎡ ÷ 50㎡ = 20%
となります。
④ 家賃の金額に割合を掛ける
仮に家賃が月10万円なら、先ほどの20%を使って、
10万円 × 20% = 2万円
と計算できます。
ただし、これは計算方法を理解するための例です。
面積を計算しただけで、その20%が自動的に税務上の正解になるわけではありません。
実際の利用状況も確認したうえで、その割合でよいのか判断します。自分のケースで迷った場合は、税務署や税理士などに確認しましょう。
電気代の家事按分はどう考える?
自宅で仕事をしているなら、電気代も家事按分を考えることがあります。
ただし、家賃のように「仕事で使っている部屋の面積」だけを見ればいいとは限りません。
電気は仕事をしている時間だけでなく、生活の中でも使うため、仕事でどのように電気を使っているのかを確認することが大切です。
① 仕事で電気を使っている状況を確認する
まずは、自分が仕事でどのように電気を使っているのかを整理します。
- 仕事をする時間
- 仕事をする場所
- 仕事中に使っているパソコンや照明など
- 仕事以外の時間にも使っている電気
たとえば、毎日自宅でパソコンを使って仕事をしている場合でも、仕事中だけ使う電気と、生活のためにも使う電気があります。
そのため、単純に「仕事をしている時間が全体の30%だから、電気代も30%」と決めるのではなく、自分の利用状況をもとに、どの基準で分けるのが適切かを考えます。
② 仕事で使っている割合を計算する
ここでは、計算方法を理解するために、仕事で使っている時間を基準にした例を見てみましょう。
たとえば、ある期間について、仕事で電気を使っている時間を全体の30%として整理したとします。
この場合、計算上の事業利用割合は30%です。
③ 電気代に割合を掛ける
仮に1か月の電気代が1万円なら、30%を使って計算すると、
1万円 × 30% = 3,000円
となります。
このように、「事業利用割合を計算する → 電気代にその割合を掛ける」という流れで事業分を計算できます。
ただし、この30%という割合が税務上の正解として自動的に認められるという意味ではありません。
あくまで計算方法を理解するための例なので、実際には自分の利用状況に合った基準を考える必要があります。
💡 Meltiny編集部のワンポイント
電気代は「仕事時間だけを数えれば終わり」とは限りません。
なぜその基準で仕事分を区分したのか説明できるかまで考えておくのがポイントです。
自分の利用状況からどの割合が適切なのか判断に迷った場合は、無理に決めず、税務署や税理士などに確認しましょう。
スマホ・インターネット代はどう按分する?
スマホやインターネットも、仕事とプライベートの両方で使うことが多い費用です。
仕事の電話やメール、オンライン会議、資料の確認、SNSの運用などに使っている場合でも、私生活で利用しているのであれば、その全額をそのまま事業分として考えるわけではありません。
① 仕事でどのように使っているか確認する
まずは、スマホやインターネットを仕事でどのように利用しているのか整理します。
- 仕事の電話をしている
- 仕事のメールを確認している
- オンライン会議をしている
- 仕事でSNSを利用している
- 仕事用の資料やサービスを利用している
そのうえで、仕事と私用を分けるために、どのような基準が使えそうかを考えます。
② 事業利用割合を考える
たとえば、利用状況を整理した結果、仕事での利用が全体の40%程度だと考えたとします。
この場合、計算上の事業利用割合は40%です。
③ スマホ代・通信費に割合を掛ける
仮にスマホ料金が月5,000円なら、40%を使って、
5,000円 × 40% = 2,000円
と計算できます。
インターネット料金が月6,000円なら、同じ割合を使う場合は、
6,000円 × 40% = 2,400円
という計算になります。
ただし、これもあくまで計算方法を理解するための例です。
スマホやインターネットの使い方は人によって大きく違うため、「スマホは40%」「通信費は40%」のように一律で決まっているわけではありません。
💡 Meltiny編集部のワンポイント
画像挿入位置①:家事按分の「仕事分と私用分を分ける」イメージ図
画像挿入位置①:家事按分の「仕事分と私用分を分ける」イメージ図スマホ代は「仕事でも使っているから半分くらいかな?」と感覚で決めたくなりますが、先に割合を決めるのではなく、実際の利用状況から考えるのがポイントです。
自分の場合、どの基準で割合を決めればよいのか分からない場合は、税務署や税理士などに確認しましょう。
車の家事按分はどう計算する?
車も、仕事とプライベートの両方で使っている場合には家事按分を考えることがあります。
車の場合は、走行距離を基準の一つとして考えるとイメージしやすいでしょう。
① 総走行距離と仕事で走った距離を確認する
たとえば、1か月の車の総走行距離が1,000km、そのうち仕事で走った距離が300kmだったとします。
この場合、走行距離を基準にすると、
300km ÷ 1,000km = 30%
となります。
この30%が、車の事業利用割合を考えるときの一つの基準になります。
② 仕事で走った距離を確認できるようにする
車の場合、計算式よりも「仕事で何km走ったのかをどう確認するか」が重要になります。
たとえば、仕事で車を使ったときに次のような記録を残しておくと、後から事業利用分を確認しやすくなります。
- 利用した日
- 行き先
- 仕事で利用した目的
- 走行距離
「仕事でたぶん300kmくらい走った」という状態より、実際の利用記録から300kmを確認できるほうが、割合を考える根拠を整理しやすくなります。
③ 車にかかった費用に事業利用割合を掛ける
では、30%という割合を計算できた場合、実際の費用はどう考えるのでしょうか。
たとえば、年間のガソリン代が12万円だったとします。
30%を使って計算すると、
12万円 × 30% = 3万6,000円
となります。
このように、「事業利用割合を計算する → その割合を費用に掛ける」ことで、事業分の金額を計算できます。
ただし、ここでも「車を仕事で30%使っているから、車に関するすべての費用を必ず30%にすればよい」という意味ではありません。
実際の利用状況や費用の内容を確認したうえで、事業に必要な部分を考えることが大切です。
💡 Meltiny編集部のワンポイント
車の場合は、まず「仕事でどれくらい使ったのか」を記録して、事業利用割合を考えるところから始めましょう。
そのうえで、ガソリン代など、それぞれの費用について事業分を計算します。
車を購入した場合はどうなる?
車を購入した場合は、ガソリン代のように「支払った金額 × 事業利用割合」だけで考えられない場合があります。
事業用の車を購入した場合、原則として購入金額をその年に全額必要経費にするのではなく、減価償却によって各年の必要経費にしていく考え方があります。
さらに、プライベートでも使っている場合は、事業で必要な部分を考える必要があります。
車の購入費については、通常のガソリン代などとは考え方が少し変わるため、ここでは「購入費も同じように30%を掛ければいい」とは考えないようにしましょう。
💡 Meltiny編集部のワンポイント
車の家事按分で覚えておきたいのは、まず「仕事でどれくらい使ったか」を記録して割合を考えること。
そのうえで、ガソリン代などの費用について事業利用分を計算します。
車の購入費など、扱いが複雑になるものについては、無理に自己判断せず税務署や税理士などに確認しましょう。
「30%を経費にする」って、結局どういう意味?
ここまでで、「車を30%の割合で按分する」といった計算例を紹介しました。
ここで、「30%を経費にするって、30%分のお金が戻ってくるの?」と思った人もいるかもしれません。
そういう意味ではありません。
家事按分した事業分は、必要経費として所得の計算に反映します。
たとえば、ある費用を年間42万円支払っていて、そのうち事業利用分を30%として計算する場合、
42万円 × 30% = 12万6,000円
となります。
この12万6,000円が、その費用について事業分として必要経費に算入する金額を考えるための数字です。
ただし、12万6,000円がそのまま銀行口座に戻ってくるわけではありません。
必要経費は所得を計算するときに差し引くものなので、実際に税金がどれだけ変わるかは、所得や税率などによって異なります。
💡 Meltiny編集部のワンポイント
「30%を経費にする」=「30%分のお金が戻ってくる」ではありません。
「支払った費用のうち、事業に必要な部分を必要経費として所得の計算に反映する」と考えると分かりやすいですよ。
計算した割合なら、そのまま申告していい?
ここまでで、面積・時間・走行距離などを使って割合を計算する方法が分かってきました。
では、計算して30%と出たら、そのまま「事業利用30%です」と申告すればいいのでしょうか。
ここは少し注意が必要です。
計算式が成立していることと、その割合が自分のケースで税務上そのまま認められることは、同じではありません。
国税庁は、家事関連費について、取引の記録などに基づいて業務遂行上直接必要だったことが明らかに区分できる部分を必要経費にできるとしています。
そのため、家事按分では「何%になったか」だけではなく、なぜその割合にしたのか、実際の利用状況から説明できるかが重要です。
割合を考えるときは、ここを確認しよう
| ①確認する | ②計算する | ③迷ったら |
|---|---|---|
| 仕事と私用でどう使っているか | 面積・時間・距離などから割合を計算 | 税務署や税理士に確認 |
| 計算に必要な数字はどこから確認できるか | 事業利用割合を費用に掛ける | 自分だけで判断しない |
| その基準で利用状況を区分できるか | 事業分の金額を確認する | 個別事情を伝えて相談する |
たとえば、家賃を「自宅50㎡のうち仕事スペース10㎡だから20%」と計算したのであれば、50㎡という数字をどこから確認したのか、10㎡をどう測ったのか、そのスペースを実際にどう使っているのかまで整理しておくと、計算の根拠が分かりやすくなります。
同じように、車なら「総走行距離1,000kmのうち仕事で300km走ったから30%」というように、計算の元になった数字を確認できるようにしておきます。
💡 Meltiny編集部のワンポイント
家事按分で目指したいのは、「絶対に指摘されない割合」を探すことではありません。
「私はこういう使い方をしているので、この基準でこの割合にしました」と、自分の計算過程を説明できるように整理しておくことが大切です。
もちろん、説明できれば必ず認められるという意味ではありません。自分のケースで判断に迷ったら、税務署や税理士などに確認しましょう。
家事按分のために、何を残しておけばいい?
家事按分をするときは、計算した割合だけを残すのではなく、「その割合がどうやって出てきたのか」も分かるようにしておくと安心です。
たとえば、次のように整理できます。
| 費用 | 確認すること | 記録しておきたいことの例 |
|---|---|---|
| 家賃 | 自宅全体の面積・仕事スペース・利用状況 | 面積の確認方法、仕事スペースの測定、計算方法 |
| 電気代 | 仕事での利用状況・採用した基準 | 仕事時間などの記録、計算方法 |
| 通信費 | 仕事・私用の利用状況・採用した基準 | 利用状況、計算方法 |
| 車 | 総走行距離・事業での走行距離 | 走行記録、計算方法 |
大切なのは、後から見たときに「この割合、どうやって決めたんだっけ?」とならないようにすることです。
特に車なら走行記録、家賃なら面積の確認や計算など、割合の元になった情報を残しておくと整理しやすくなります。
なお、帳簿や書類の保存については、申告方法や書類の種類によって保存期間などのルールがあります。家事按分の根拠として何をどのように保存するかも含め、国税庁の最新情報を確認しておきましょう。
💡 Meltiny編集部のワンポイント
家事按分の記録は、最初から難しい書類を作ることから始めなくても大丈夫です。
まずは「何を基準にして、どう計算したのか」が後から分かる状態を作るところから始めましょう。
「50%なら経費にできる」は本当?
家事按分について調べていると、「50%」という数字を見かけることがあります。
ここから、「じゃあ50%までなら自由に経費にできるの?」と思うかもしれません。
しかし、「50%までなら自由に経費にできる」という意味ではありません。
所得税基本通達では、家事関連費について、業務の遂行上必要な部分が支出額の50%を超えるかどうかを「主たる部分」の判定基準の一つとして示しています。
一方で、必要な部分が50%以下の場合でも、その必要な部分を明らかに区分できるのであれば、その部分を必要経費に算入できるとされています。
そのため、「50%に合わせる」ことを目標にするのではなく、自分の事業で必要だった部分をどう区分できるかを考えることが重要です。
💡 Meltiny編集部のワンポイント
「50%」は、家事按分で自由に使える上限という意味ではありません。
ネットで「家事按分は50%まで」とだけ見かけても、その数字だけで自分の経費割合を決めないようにしましょう。
白色申告でも家事按分できる?
「白色申告だと家事按分できないの?」と心配になる人もいるかもしれません。
結論として、白色申告だから家事按分が一切できない、というわけではありません。
家事関連費については、事業に必要な部分を適切に区分できるかどうかが重要です。
また、白色申告でも記帳や帳簿・書類の保存が必要になるため、家事按分を行う場合も、計算方法や根拠を整理しておきましょう。
青色申告・白色申告の制度そのものについて詳しく知りたい場合は、それぞれの違いを整理した記事もあわせて確認すると分かりやすいです。
白色申告と青色申告の違いとは?どっちを選ぶべきか初心者向けに解説【2026年版】
💡 Meltiny編集部のワンポイント
「白色申告だから家事按分はできない」と考える必要はありません。
大切なのは、申告方法だけで判断するのではなく、仕事に必要だった部分をどう区分したのかを整理しておくことです。
会計ソフトを使うと家事按分はラクになる?
ここまで読んで、「家事按分って、毎年この計算を自分でやるの?」と思った人もいるかもしれません。
会計ソフトを使うと、家事按分に関する計算や仕訳の作業をラクにできる場合があります。
ただし、会計ソフトが「この人は30%が正解」と判断してくれるわけではありません。
どの割合で事業分と私用分を分けるのかを考えるのは、基本的に自分です。
会計ソフトでラクになるのは「計算した後」の部分
たとえば、家賃について事業利用割合を20%と考えたとします。
家賃が月10万円なら、
10万円 × 20% = 2万円
という計算になります。
会計ソフトでは、このような家事按分の設定や仕訳作成をサポートしているものがあります。
そのため、毎回手計算して仕訳を作るよりも、一度設定した割合を使って処理を続けやすくなるのがメリットです。
会計ソフトを使っても、自分で考える部分は残る
ここは勘違いしやすいポイントです。
| 自分で考えること | 会計ソフトでラクにしやすいこと |
|---|---|
| 仕事と私用の利用状況を整理する | 取引を記録する |
| どの基準で割合を考えるか決める | 仕訳を作成する |
| 事業利用割合を計算する | 設定した割合を使って家事按分を処理する |
| その割合が実際の利用状況に合っているか確認する | 帳簿をまとめる |
つまり、会計ソフトは「家事按分の判断を代わりにしてくれるもの」ではなく、「決めた内容を帳簿に反映する作業をラクにしてくれるもの」と考えると分かりやすいでしょう。
💡 Meltiny編集部のワンポイント
家事按分で一番悩むのは、「30%って入力すればいいの?」という操作よりも、「そもそも自分の場合、何%と考えるのが適切なんだろう?」という部分です。
ここは会計ソフトに任せるのではなく、自分の利用状況を整理して考えましょう。
家事按分についてよくある質問
Q. 家賃は「仕事用の部屋の面積÷自宅全体の面積」で計算すれば、それでOKですか?
A. それだけで自動的に税務上の正解になるわけではありません。
面積を基準にする場合は、まず自宅全体の面積と仕事に使っているスペースの面積を確認し、割合を計算します。
ただし、仕事専用のスペースなのか、仕事をしていないときは生活スペースとして使っているのかなど、実際の利用状況も考える必要があります。
「この割合でいいのかな?」と判断に迷った場合は、税務署や税理士などに確認しましょう。
Q. 車を仕事で30%使っているなら、車にかかった費用も全部30%ですか?
A. 「車に関する費用は全部30%」と機械的に決める、という意味ではありません。
まず、仕事で使った距離などをもとに事業利用割合を考えます。
たとえば、総走行距離1,000kmのうち仕事で300km走った場合は、
300km ÷ 1,000km = 30%
となります。
年間のガソリン代が12万円なら、計算例として、
12万円 × 30% = 3万6,000円
と事業利用分を計算できます。
ただし、車の購入費などはガソリン代とは扱いが異なる場合があります。費用の内容や自分の利用状況によって判断が難しい場合は、税務署や税理士などに確認しましょう。
Q. 家事按分の割合は50%までですか?
A. 「50%まで」という単純な上限ではありません。
家事関連費については、事業に必要な部分を適切に区分できるかどうかが重要です。
「50%なら大丈夫」「49%ならダメ」というように、数字だけで判断するものではありません。
自分の利用状況に応じて、なぜその割合にしたのか説明できるようにしておきましょう。
Q. 割合をどう決めればいいのか分かりません。
A. まずは「何を基準にすれば、仕事分と私用分を分けられそうか」を考えてみましょう。
| 費用 | 基準として考えられる例 |
|---|---|
| 家賃 | 使用面積など |
| 電気代 | 使用時間など |
| 通信費 | 利用状況など |
| 車 | 走行距離・使用日数など |
ただし、これはあくまで基準の例です。
「この基準なら自分の利用状況を適切に区分できそう」と考えられるものを整理し、それでも判断が難しければ税務署や税理士などに確認しましょう。
Q. 割合を決めたら、何か記録を残したほうがいいですか?
A. はい。どのような基準で割合を決めたのか、後から分かるようにしておくと整理しやすくなります。
たとえば、家賃なら面積の確認方法や計算方法、車なら仕事で走った距離など、割合の元になった情報を残しておきます。
「去年30%にしたから今年も30%」ではなく、実際の利用状況に変化がないかも確認しましょう。
家事按分をするときのチェックリスト
最後に、実際に家事按分を考えるときの流れをまとめます。
- 仕事と私用の両方で使っている費用を確認する
- 仕事でどのように利用しているか整理する
- 面積・時間・距離など、区分するための基準を考える
- 必要な数字を確認する
- 事業利用割合を計算する
- その割合を費用に掛けて事業分を計算する
- なぜその割合にしたのか分かるように記録する
- 自分のケースで判断に迷ったら、税務署や税理士などに確認する
💡 Meltiny編集部のワンポイント
最初から完璧な計算をしようとすると、家事按分はかなり難しく感じます。
まずは「何にいくら使ったか」「仕事でどう使ったか」を整理するところから始めてみましょう。
数字が揃ってくると、どこを基準に割合を考えればいいのかも見えやすくなります。
まとめ
家事按分は、仕事とプライベートの両方で使っている費用について、事業に必要な部分を分けて考える方法です。
家賃なら面積、電気代なら使用時間、車なら走行距離など、費用に応じて利用状況を区分するための基準を考えます。
基本的な流れは、
「利用状況を確認する」→「割合を計算する」→「その割合を費用に掛ける」
です。
ただし、計算した割合が自動的に税務上の正解になるわけではありません。
実際の利用状況に合った基準で考え、「なぜこの割合にしたのか」を説明できるようにしておくことが大切です。
そして、自分のケースではどの基準を使えばいいのか、どこまで経費にしてよいのか判断に迷った場合は、税務署や税理士などに確認しましょう。
会計ソフトを使えば、こうして決めた割合を使った家事按分の処理や帳簿作成をラクにできる場合があります。
「家事按分が難しそうだから会計ソフトを使っても意味がない」と考える必要はありません。判断する部分と、作業をラクにする部分を分けて考えると、会計ソフトの便利さも分かりやすくなります。
💡 Meltiny編集部より
家事按分って、最初は「何%にすればいいの?」だけが気になりますよね。
でも実際には、「自分は仕事でどう使っているのか」から整理するのがスタートです。
数字を出してみても判断に迷うところはあります。そんなときは無理に答えを出さず、専門家に確認しながら進めれば大丈夫です。
家事按分は、計算式を覚えることよりも「自分の利用状況をどう区分したのか」を整理することがポイントです。
まずは仕事とプライベートの使い方を整理するところから始めてみましょう。
会計ソフトを比較して選びたい人へ
家事按分だけでなく、日々の記帳や確定申告までまとめてラクにしたいなら、会計ソフトを検討してみるのも一つの方法です。
ただし、会計ソフトによって料金や機能、サポート内容などが異なります。
「とりあえず有名なものを選ぶ」のではなく、自分に必要な機能があるかを比較して選びましょう。
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※この記事の内容は2026年時点の情報をもとにしています。税制や制度は変更される場合があるため、申告の際は国税庁の最新情報も確認してください。
また、家事按分の割合や経費にできる範囲は、実際の利用状況や個別事情によって判断が変わる場合があります。
この記事では計算方法の考え方を紹介していますが、特定の割合が税務上必ず認められることを保証するものではありません。
「この割合でいいのかな?」と判断に迷う場合は、税務署や税理士などに確認しましょう。







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